東圓寺と忍野八海ものがたり
序章
忍野八海 - 今や世界中から観光客が押し寄せ、富士の麓を訪れる者なら知らぬ者のいないこ の場所も、私が幼少の頃には単なる「近所にある日常の水場」であった。当時は忍野八海周辺 の家もまばらで、それぞれの池の周りには田んぼが広がっていた。子供たちにとっては格好の遊 び場で、もっぱら水量が豊かな湧池がその舞台となっていた。湧池で泳いだあと、冷えた体を陽 の光で暖められた田んぼの畔に寝転がって暖める。中には稲を倒してしまい、大人に怒られる子 供もいた。そんな日本の古き良き田園風景がそこにあった。そんな風景も記憶の中のものとな り、今では洋の東西を問わない人々が足を運ぶ賑やかな場所として、忍野の地を潤している。そ の人気は富士山写真家として有名な岡田紅葉が作品として残した、雄大な富士山と八つの池の 清水、かやぶき屋根の家々が織りなす素晴らしい景観に由来するが、富士山が世界遺産に登録 されたことも要因のひとつだろう。2013年に富士山が「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」とし て世界遺産に登録された際、忍野八海は天然記念物として登録されていたので、当初は構成資 産から外される予定であったが、その折には忍野八海と所縁の深い当寺に所蔵されている版木 や古文書などの数々の資料が証拠として提示され、忍野八海の八つの池はその構成資産として 登録される運びとなった。こうして忍野八海は忍野村のみならず日本が世界に誇る遺産として認 められたのである。 しかし、世界的に忍野八海自体の認知に比べ、その起源を知る者は驚くほど少ない。ましてや、 忍野八海が”富士講の禊池として多額の費用を使い、多くの人々の尽力により造成された”と聞い て、驚かない人がどれほどいるだろうか。今や観光客だけではなく、村内の人々でさえ、忍野八 海の起源を知っている者はほとんどいない。当時の手掛かりとなる石碑も風雨に晒され、一部は 読み解くことも難しく、時が経つにつれて起源を辿ることがますます困難になっている。そんな現 状を鑑み、忍野八海の歴史を後世の人々に伝えるために新たなものが必要だと考えるに至っ た。
そこで当寺に残された歴史的な資料や、忍野八海を造成した大寄友右衛門の子孫である大寄赳 彦先生、身延で富士講の歴史を勉強されている団体からのお話をもとに、忍野八海の成り立ち を辿る記録を残したいと思った。忍野八海の起源には当時の人々の様々な想いが込められ、多 くの出来事の積み重なりで今の忍野村の繁栄がある。その物語は単に歴史的な価値を超えて魅 力的であるばかりでなく、その物語こそ受け継がれるべき遺産だと信じている。ゆえに稚筆なが ら本書を認めるに至った。執筆にあたり、多大にご協力くださった大寄友右衛門のご子孫である 大寄赳彦先生に感謝を申し上げる。
東圓寺 第42世 慈誠 合掌
第一章
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第二章
第二章 東圓寺と忍野八海ものがたり (189KB) |
第三章
第三章 東圓寺と忍野八海ものがたり (172KB) |
第四章
第四章 東圓寺と忍野八海ものがたり (203KB) |
第五章
第五章 東圓寺と忍野八海ものがたり (169KB) |
終章
終章 東圓寺と忍野八海ものがたり (47KB) |
忍野八海ガイド案内
忍野八海と東圓寺
富士山世界文化遺産構成資産が八つある忍野村。富士山が裾野まで広がり、その雄大な景色は人々を魅了します。富士山の最大のめぐみは、豊かな湧水です。湧き出した水は川になり、流れる水の音は、すべてのものを浄化してくれるように思えます。富士山を目で見て、風を感じて、流れる水に耳を澄ませれば、それだけで心身ともに満たされてしまいます。けれども、忍野八海は、自然なものではありません。実は・・・
忍野村には、幾つもの湧水(池)があります。けれども、忍野八海は、幾つもある湧水の中から選ばれた池です。幾つもある池から、どうして八つ選ばれることになったのか・・あなたは、知っていますか。
富士山世界文化遺産構成資産の登録は、忍野八海という総称を登録することになっていました。忍野八海という総称で登録されていたのならば、忍野村の構成資産は、1つのはずでした。けれども、構成資産は八つになってしまいました。どうして、八つになったのか、理由を知っていますか。
多くの謎に包まれた忍野八海です。忍野八海には、大我講という講中がありました。どういった講中だったのでしょう。あまり知られていない忍野八海のヒミツを深堀しませんか。
概要
忍野八海の歴史や成り立ちについて、忍野八海の古文書が残されている東圓寺の住職、または、住職の予定が合わない時には、寺庭婦人がガイドいたします。
忍野八海の成り立ちや歴史、観光資源の活用についての講演・講習会も受け承ります。
料金について
ガイド案内
東圓寺の歴史など 場所(本堂)
1時間30分 3000円(お茶と干菓子付き)
忍野八海の歴史 場所(本堂)
1時間30分 3000円(お茶と干菓子付き)
東圓寺の歴史+忍野八海の歴史 場所(本堂)
3時間 5000円(お茶と干菓子付き)
講師・講演会について
※要相談





