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心だより

2020年6月

池坊の魅力・・

2020-06-09
 私はどちらかというと体育会系ですから、華道はお嬢様がするもの・・と決めつけていて興味はありませんでした。しかし、嫁いだ先は伝統文化を重んじるところでした。郷に入っては郷に従えという言葉が脳裏をかすめ、嫁いだ後に、慣れない華道を学ぶことになりました。
 
 歴史を学ぶことがこれおほど面白いことだと知ったのは、華道や茶道を習うことになったからかもしれません。先ほど、私は華道のイメージについて「お嬢様がするもの・・」とイメージしていましたが、そう思っている方は多いのではないでしょうか。けれども、花道が学校教育に取り入れられたのは明治時代になってから・・江戸時代は庶民の習い事として、戦国時代においては花道や茶道は武士のたしなみだったことを知る人はごく少数でしょう。
 
 池坊においては、次期お家元が初めて女性であるという歴史的に意味深い時代を迎えることが報道などで取り上げられます。そうのような背景から考えてみてください。茶道や華道の世界は実は男性社会なのです。男性と女性では植物をとらえる視点が違います。その違いをあえていうならば・・理系や文系という言い方をさせていただきますが、どちらかというと華道は理系の頭脳を持った方が面白いと思えるようです。特に、500年以上前から伝わる花形「立花」は、プラモデルをつくようで面白い・・という例え話をしてくださった方がいました。植物の取り合わせによって大きくイメージが変わりますので、男性の持つダイナミックさや繊細な感性に驚かされることもあり、学べば学ほど面白い世界です。
 
 植物を生けるための法則があるのですが、その法則を習得すると植物を法則に従って生けることによって、美しい姿に生けることができる・・とうい意味のことをおっしゃられていました。あくまでも例えですから、そんなに簡単に習得できるものではありませんが、簡単に習得できない奥深さに心が惹かれるのだと思います。私はその境地に立つにはまだまだ程遠く感じますが、植物と向き合うことの楽しさと、様々な学びによって自然との共存について意識するようになったことは、人生をより豊かなものにしてくれています。理屈ではなく、自然と感じることができる日本の伝統文化の奥深い味を多くの人に知っていただきたいと心から願っています。
 
 
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