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心だより

2020年6月

日本手ぬぐい・・part2

2020-06-12
 ある人は言います。頭でどれほど考えても、行動を起こさなければ何も変わらない。けれども、行動を起こすことによって、劇的な変化がやってくる・・と。行動するということだけで、周囲は様々に変化します。けれども、その変化は自分の望む変化とは違っていることも大いにあります。そんなときの落胆を想像すると、変化なく何も行動を起こさなければ・・と思ってしまいます。ところが、必ず老いがやってきます。老いる‥という現象だけで変化のない人生などあるはずはないのですが、案外それに気付く人は少ないようです。なぜなら、その速度は意外にゆっくりで、ある時自分の年齢に気づき愕然とするのです。
 
 前置きが長かったのですが、日本手ぬぐいを制作することは、大冒険でした。制作する手ぬぐいの原本は版木でした。江戸時代後期から伝わる版木から版図を起こして、それをデータ化します。バランスをとったり、一本一本の線がしっかり出るよう工夫しなければなりません。線がゆがんだり、かすれたりしないように制作できるのは昔ながらの手ぬぐいやさんだと思っていました。
 
 そんなことを頭で考えていて、ある人に相談しますと、京都の老舗の永楽屋さんと面識があるとおっしゃってくださり、アポイント取ってみようか・・と。それからはトントン拍子であれよあれよという間に、手ぬぐいが出来上がりました。
 
 しかし、この手ぬぐいに込めた思いを誰が知るはずもなく、前回お話ししたことを忘れられないための苦肉の策だったのですが、突拍子もないことを始めた・・と思う人のほうが多かったように思います。
 
 完成から1年以上の歳月が過ぎましたが、今になるとあの時作ってよかったと思っています。コロナウィルス感染の収束が見えない中では、今、日本手ぬぐい作ることはできなかったと思います。何が幸いするのか分からない・・何が災いするかわからないのが人生だということを改めて感じました。このようなときだからこそ、お守り代わりに身に着けてほしいと思います。
アーティフィシャルフラワー
と和雑貨 結子
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