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心だより

2020年7月

花の心・人の心・・

2020-07-29
 本当に不安な日々が続いています。不安だけではなく、災害に見舞われた方々は、生活をどのように立て直していくのか・・そのような中で力を振り絞り前を向き生きようとする人々の気持ちを想像しますと、現在は病気もなく日常生活を送れている私がすべきことは、本当にこれでいいのかしらと思います。
 
 けれども、自然災害も病気も明日のことは誰にも分りません。今日一日を大切に生きることだけが、今私のすべきことと言い聞かせています。
 
 先日、「花のあらかると」という季刊誌が池坊華道会から送られてきました。冒頭には、池坊専永宗匠のお言葉が書かれていました。会員である中学生たちに手渡しますが、勉強も忙しいことと思い、一緒に読むことにしました。文中に、「当たり前のことですが、春には春、夏には夏の花しか咲きません。私たちは、咲き始めた桜の花に春の訪れを感じ、華やいだ、しかしながらはかない気持ちになります。季節の変化に対する気づきこそ、過去の思い出といった郷愁を呼び起こすのだと思います。」という文章を読んだとき、中学生はどのように捉えるのだろう・・と思い、この文章について考えてもらいました。
 
 別に・・と言った表情だったので、「華やいだ気持ちになるのに、はかない気持ちになるんだよ・・真逆の表現だと思うのだけど、そう思わない?」と聞くと、確かにそうだ・・という顔に変わりました。宗匠は御年80歳を過ぎています。春を八十数回経験しています。花は咲くと美しく華やいだ気持ちにしてくれますが、間違いなく散るときが来ます。人生と重ねるとなんとはかないものでしょう・・まだ、13年しか生きていない子供たちにはそのはかない気持ちを理解することは難しいことと知りながら、けれども、植物と人の心の響きを少しだけ感じてほしいと思いました。
 
 
アーティフィシャルフラワー
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