アーティフィシャルフラワーと和雑貨のお店『結子』 伝統文化と親もう

　忍野教室は、小学校の低学年のお子さんが多く参加してくださっています。お花を生けることを難しく考えているのは大人の思考です。鋏を使うことができましたら、後は乾山に挿すだけです。決まりのある花形は難しいかもしれませんが、法則は覚えてしまえば単純です。生けることだけでしたら誰でも生けることができると思っています。

　低学年の生徒さんが多いとお話ししましたが、幅広い年代のお子さん、また親御さんが参加してくださっているのも特徴的な教室だと思います。生けた作品を並べて拝見する・・この作業が最大の学びです。

　花材、花器が同じでも、植物の見方が万別です。ガーベラを見て花を美しいともう人もいらっしゃいますが、茎もきれいなお花です。茎の曲がりをきれいに見せる・・様々な植物の表情を作品に投影できるのは生け花のおもしろいところです。

　私は、いけばなをお教えしていますが、上達を望んで指導しているわけではありません。日本の伝統文化であるいけばなは、より豊かに生きるための生き方を教えてくれるアイテムであると思っています。いけばなの上達を望むと言いますと、技術やセンスの競い合いになってしまいます。日本の美の根幹は、和です。異質なもの、同質なもの、個々に持つ個性を活かしあうことが、穏やかにより豊かに生きられることを知ることができます。

　けれども、競うことは成果という明確な結果を知ることができますので、理解しやすい学びです。どちらが、良いとか悪いではありませんが、曖昧だけれど、なんとなく温かい気持ちになれる時間も必要だと感じます。

　１２月には富士レークホテルにてミニ花展を開催予定です。「和」を感じることができる作品をお届けできるように頑張ります。