アーティフィシャルフラワーと和雑貨のお店『結子』 伝統文化と親もう

　東南寺は、比叡山を開かれた伝教大師最澄上人が建てられたお寺です。比叡山の守り神様である日吉権現への報恩感謝と、伝教大師様のご両親への追善菩提を願い、さらには皆さんに教えを広げるため「法華経」の説法をされたのが、戸津説法（東南寺説法）の始まりだそうです。やがて、伝教大師の弟子達が大師の報恩感謝のために説法会を引き継ぎ、明治以降は東南寺にて、８月２１日から２５日に至る５日間、行われるようになりました。

　私は、初めて戸津説法に参列させていただくことができました。主人の縁によって、寺院関係の行事に参加する機会をいただいております。戸津説法は、数年前、参列する機会をいただきながら、向かう途中でお葬儀の連絡が入り、泣く泣く帰宅することになってしまいました。とても悲しく思った思い出があります。

　主人は、この説法の内容を十分承知していたと思います。けれども、私は初めてのことばかりで緊張していました。コロナ禍ということもあります。幾重にも不安を感じていました。

　最初にご説明したように、「法華経」についての説法会です。知る人は知っている事ですが、お経と聞きますとポピュラーな般若心経を思い浮かべる方は多いと思います。けれども、お経と一言では言い切れないほど実際は、想像もできないほどの膨大なお経が存在しています。その中でも、特に重要な教えが説かれているのが「法華経」とお聞きますが、様々なお経の中でも難解であると言われています。そのような難しい教えが分かるのかな？理解できなくて居眠りしたらどうしよう・・そんな不安が頭をよぎりました。

　心配することはありませんでした。説法をしてくださった方が、とても分かりやすくお話してくださいました。夢中で、メモを取りました。理解できるわけではありませんが、とても興味深く、お話されている言葉の一言一言が心に沁みてくる感覚は初めてです。それが、法華経という教え、お経の不思議なのだと感じました。

　このような時代ですから、夫婦で参列させていただけたことだけでも感謝です。また一つ思い出ができました。年を重ね、同じ時間を共にする幸せというのは、年々増していくのだと思います。

　いつも、大変お世話になっているお寺さんにもお参りさせていただくことができました。充実した一日でした。