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心だより

2022年9月

忘れることも

2022-09-25
 私の父の姉・・私の叔母になりますが、現在叔母の面倒は私が見ています。大きな理由が2つあります。1つには、幼い頃叔母にお世話になったという記憶があり、その時の恩を返そうと思っていたました。2つには、母が人工透析をするようになった25年ほど前に、母の変わりは私しかいない・・そう思ったからです。

 3年ほど前、叔母の弟、私の叔父が救急搬送されました。叔父は、高校卒業後、叔母の家から大学に通い、そのまま叔母と暮らし続けていました。定年後、仕事だけが生きがいだった叔父は、精神を病んでしまいました。

 精神を病んでいる叔父を認めたくない叔母・・救急搬送されたときの叔父の体重は38キロしかありませんでした。統合失調症の末期でした。歩くこともままならない状態でしたから、すぐに介護認定を申請し、病院を探すことにしました。あれよあれよという間に、病院の手配も終わり、入院すると3か月後コロナが流行してきました。

 叔母は、なぜ弟が入院しているのか分からない、または分かりたくなかったようでした。けれども、叔母もまた、認知が進んでいました。検査をしますと脳の中にある海馬は、80%ほど機能していない・・と。海馬は今起こっていることを記憶して、記憶したものを別の場所に移動する役目があるのですが、今起こったことを記憶する前に忘れてしまうのです。一昨年、叔父が亡くなりました。今では弟が亡くなったことを忘れしまっています。その方が、叔母にとって不幸ではないように思います。

 辛いことは、忘れた方がいいこともあるのだな・・と感じます。忘れてしまっていることで、現在は施設におりますが、職員の方々、施設にお住いの方々との交流を満喫しているように見えます。

 時々天気の良い日に電話があります。「何かいい話はないかね・・」と。どこかへ行きたい・・と言うことのようですが、現在はコロナ禍で連れて行ってあげることはできません。もう少し状況を見ながら、美味しいものを一緒に食べようと思っています。



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