心だより
2023年5月
手ぬぐいの話
2023-05-02
結子の商品に、和手ぬぐいがある。お守りを兼ねたこの日本手ぬぐいにもドラマがある。江戸時代に残された版木をどうしたら未来に残すことができるのか・・
オフィスアンドさんにご相談すると、京都の老舗、永楽屋社長さんに取材をしたばかりなので、本気でお考えならご紹介くだるという。これまでも、やりたい・・と思ってできないことも数多くあり、そんな時は、時期尚早なのだと考えて無理しないことにしている。あまり乗り気でないことが、驚くほどのスピードで決まっていくこともある。日本手ぬぐいはあれよあれよと話が決まっていった。
けれども、別の視点で苦しい思いをすることになった。版木に書かれていたものに対する考え方の相違が、厳しい批判をいただくことになった。今となれば、批判に負けず、意思を貫いたことは、未来に江戸時代の偉業を残すということの足掛かりになった。
けれども、本当に辛く苦い経験となった。自分の考えが正しいとは思っていない。過去の偉業を未来につないでいくためにはどうすればいいのか・・
多くの苦悩から、手段の一つとして日本手ぬぐいにたどり着いたことを、真向から否定され非難されたことは、批判してくださったお人を思うとき、言いがかりではないことも分かっていたので、どちらを選択したらいいのか・・それを決めることが苦しかった。
どちらにしても、決断しなければいけないのだから、そこには大義名分が必要だ。最終的に日本手ぬぐいを作ることを決めた理由は、20年かけて未来に残すためにはどうしたらいいのか・・考え迷ってきた自分を信じることにした。
損得や忖度ではない。純粋に、未来に語り継ぐ術として考えたのだから、まずやってみよう。結果、誤りと思った時には、潔く方向を変えればいい・・あれから、5年・・作ってよかったと思うことが度々ある。思いは、通じるのだと思う。