アーティフィシャルフラワーと和雑貨のお店『結子』 伝統文化と親もう

２０１５年・・「ジャポニズム」という季刊誌の編集者さんから１通のメールが入った。東圓寺のHPにある「今昔写真」にある富士山の写真を使わせていただきたい・・という内容だった。

使いたいという写真は、他界した先代が撮影した今では撮影することのできない写真だった。「この写真を気に入ってくださったのなら、是非お使いください・・」そんな内容のメールを返信した。

温暖化が進んだ現代では、考えらえないほど厳しい寒さだった忍野村だからこその写真。夏の気温も低いため、美味しいお米は育たない。けれども、作らなければ現金収入も乏しい生活の中で、自給自足をしなければ、食べることがままならない状況があった。夏は田んぼを作り、冬には、田んぼに水をはり、スケートリンクを作った。スケート靴は、もちろん手作り・・厳しい生活環境の中でも、村人はこの土地でしかできない遊びをしている。楽しそうにスケートをしている子供たちが映った写真・・

富士山は美しい・・けれども、当時の富士山麓は富士山に雪が積もれば天然の冷凍庫が出きる。富士山の雪の景色をよく見ると、厳しい寒さを伺い知ることができる。また、子供たちが立っている田んぼのスケートリンクの氷の透明度が高い。どれほど、気温が低いのかわかる人にはわかると聞く。

今から、６０年ほど前の忍野村の冬の写真から、「ジャポニズム」に携わる、古都デザインと文章を担当している安藤須和子さんとのご縁は、時間をかけて深まっていった。