心だより
2023年8月
季節を感じる
2023-08-11
昨年初めて、忍野村でアブラゼミの鳴き声を聞いた。初夏に、夏ゼミというアブラゼミの3分の2ほどの大きさのセミは、耳障りなほど鳴いているが、このセミは高地にしか生息しないと聞く。もう一つ、高地と言えば、忍野村にはゴキブリがいない。いないというこではなく、越冬できないという。アブラゼミの声が聞こえてくるということは、ゴキブリも、越冬し姿を現すかもしれない。
今年は初めて、ツクツクボウシの鳴き声を聞いた。ヒグラシ、または、ツクツクボウシの鳴く声は比較的好きだったりするが、忍野村のツクツクボウシの鳴き声は元気がない。あまり、元気に鳴かれても温暖化を意識することになるので複雑な心境だが、元気のない鳴き声だな・・と思うと、やっぱり複雑だ。
お盆になると朝晩の気温が下がってくる。そうすると、虫が元気に鳴き始める。季節が移り替わっていくことを知らされる。
時々感じる。この自然の音を聞く機会の極端に少ない都会の人に、季節が移り替わっていくときの昆虫たちの鳴き声、植物の香り(良い匂いばかりではない)を知らないのは損をしているように思う。
お金を出してみることのできる、美術館に飾られた様々なアート、演劇や様々なコンサートは、田舎ではなかなか見る機会、聞く機会は少ない。けれども、自然の中にあるリズムがあってないような音に、癒されることがある。
忍野村に住み何よりも感動した季節は春。毎年、春は待ち遠しい。まだ、体感としての気温はそれほど上がっていないのに、小鳥たちは春を感じて、声自慢をしている。
物悲しい秋がすぐそこまで来ている。少しずつ日暮れが進んでいる。まだまだ残暑は厳しそうだ。お盆には、台風の心配も出てきた。災害がおこらないよう祈っている。