アーティフィシャルフラワーと和雑貨のお店『結子』 伝統文化と親もう

　今日はあいにくの土砂降り雨。例年なら、新盆の家の方を対象に、午後１時から、新名庄川で精霊流しをしている。１０年ほど前までは、多くの村人が、富士山に向かって流れている特別な川・・新名庄川に、葦で船を作って、馬や牛に見立てたきゅうりやナス、あの世へ行く道中のお弁当を船に乗せて流す精霊流しが行われていた。

　多くの世帯が川に流すので、下流で流されてきた船は、誰かが片付けなければならず、最終的にはごみという扱いになってしまうので、川に流す精霊流しは禁止された。

　それを憂いた時の村長さんは、寺院主動となって精霊流しを復活させてほしいという打診があった。役場が手伝ってくださるのなら・・そんなこともあり、流されてきた葦の船は、浅瀬で待ち受けて回収をするよう段取りをすることになった。けれども、精霊流しをする方々の時間の制限なく、大雑把な世帯数が把握できるわけもないということで、 新盆の家だけ限定することになった。

　役場が関わってくださったのは１年だけだった。伝統文化という目で見てくださった方もいると思うが、神仏分離という考えもあったのか、現在は寺の役員が準備などをしてくださっている。

　この行事も定着してきたようで、新盆のお宅の多くが精霊流しの参加を申し込まれていた。今日は、雨で川の水位も高くなっており、精霊流しは中止となった。参加申し込みのあった各家に中止のご連絡をした。本堂では、１４時から御詠歌をお唱えさせていただくことになっていた。そこに参加したいというお話も出てきた。

　急に話は決まってきた。御詠歌をしている時間に、精霊流しを予定していた数件の方々が、本堂にいらっしゃることになった。慌てて、お焼香していただけるよう準備をし、ご先祖様をお送りさせていただいた。何とか間に合い、安堵した。慌ただしかったと思いながらも、時に、雨も良いような気がした。