アーティフィシャルフラワーと和雑貨のお店『結子』 伝統文化と親もう

　ここ数年、何らかの理由で人が殺されるというニュースを耳にしない日はない。私が尊敬する方の一人に高田好胤という和尚さんがいた。この方は、奈良の薬師寺の再建のため、全国に写経を広めた方だ。修学旅行生に、独特の口調でお話されることでも有名だった。

　何冊も書籍を発刊されている。その中に、人々の心がむしばまれ、親殺し、子殺しの世がきてしてしまう。そうならないように・・・という風に、未来を見据えて、人の心の在り方を講演会や書物で語られていた。

　人のことは良く見える。けれども、自分のことはほとんど理解していないことが多い。そう思えるようになるまでは、自分のことは自分が一番分かっている・・そう思い込んでいる人が多いものだ。

　欲を煽り、惑わせるSNSというツール。最近、ふとFacebookやインスタグラムは、私生活をのぞき見していることと変わらないように思えてきた。誰が何をしている・・例えばそれが、公の人だったならば、公開することによって、何らかの自分の仕事に反映される。けれども、個人の情報を明かすことによって誰に利益がもたらされるのかを考えた時、自分以外の人だったり、物だったりするように思える。案外自分に利益は少ない。　

　美味しいものを食べた・・景色の良い場所へ行った・・SNSに公開することによって、起こした行動の幸福度や満足度が劇的に上がるわけではなく、どちらかと言えば、今公開した画像よりも、より素敵見えるものを・・そのように考えてしまうのではなか。

　一つに行動は、見る相手によって変幻自在であり、正解などない。では誰が正解とするかは、自分人身だ。SNS公開が悪いとは思わない。けれども、他者のSNSを見ることによって、羨ましく思う心が生まれた時には、その情報に惑わされていることに気付かなければいけない。

　とても難しい問題だ。けれども、情報を俯瞰してみる、俯瞰した情報を自分がどう捉えているのかをまた、俯瞰する。このような癖をつけると、少しずつ心を深めることができる。ほんの少しだけ、そう思ってくれる人が増えると、世の中も少しだけ、居心地の良いものに変わっていくように思う。